エリート医師でタレントの木下博勝氏(51)が、2017年4月から2019年8月31日まで働いていた「医療法人社団 颯心会」でパワーハラスメントを繰り返していた問題。「週刊文春デジタル」では、木下氏による壮絶なパワハラの実態を、 被害者である同僚スタッフ・Aさんと管理職に就くBさんの告発 に加え、暴言音声を公開し、詳報した。
12月19日木下氏は報道各社にファックスを送り、「週刊文春デジタル」に掲載している自身の回答を引いて、「事実と異なる点が多数あります」と反論した。だが、木下氏の反論文書を読んだ颯心会の管理職であるBさんは怒りを隠せない。
「木下先生の助手につくことが多かったAは、先生から公開した音声にあるような言葉を日常的に浴びせかけられていたんです。木下先生はそれを『医療人としての将来に良くないと』と教育のためだったとおっしゃっているようですが、恫喝や人格否定は教育になるのでしょうか。頭を小突かれたり、蹴られたりすることは医療人として適切な行為なのでしょうか」
■“恐妻家で気弱な夫”の裏の顔
“恐妻家で気弱な夫”というイメージの木下氏だが、スタッフにはパワハラを繰り返していたのだ。パワハラを一身に受けていたAさんもこう語っている。
「木下先生は『医者が一番偉い』という考えなんです。助手の僕やスタッフが気を遣うのは当たり前で、『おれを誰だと思っているんだ』が先生の決まり文句でした。病院には内科の先生が多いのですが、『外科医であるオレは内科医よりも偉い』と話すこともありました。『外科医は体育会系なんだ』と僕への暴言や暴行を肯定するような物言いをすることもありました」
木下氏はAさん以外のスタッフにも日常的に暴言を吐き、時には暴力を振るうこともあった。その言動が原因で、ドクター2人、ナース3人、事務員2人が退職を余儀なくされている。しかし木下氏が高圧的な態度で接するのは、仕事仲間に対してだけではない。別の仕事関係者Cさんが語る。
■ジャガー横田氏に「お前はなにもわからないんだから黙っとけ!」
「木下先生と仕事について話そうと食事をすることになったのですが、その場にジャガー横田氏さんもいらっしゃいました。木下先生は常々待遇に不満があると言っていたので、自分から言いづらいことを強面のジャガーさんに言ってもらうつもりで呼んだのかなと思っていたんです。しかしジャガーさんが何か話そうとすると、木下先生が『お前はなにもわからないんだから黙っとけ!』と一喝した。こちらもびっくりするような厳しい物言いで……。それ以降、ジャガーさんは仕事に関することにはほとんど口出しせず、木下先生の話を黙って聞いていました」
Bさんも木下氏とジャガー氏の“真の夫婦関係”を垣間見たことがあるという。
「ジャガーさんが木下先生のいないとき、私にポツリと漏らしたことがあるんです。『私は学もないし、家事も全く出来ない。収入もたくさんあるわけではないから、木下に養ってもらっているんだよね』と。ご夫婦がテレビで見せている顔は作られたもので、実際の家庭内での立場は木下先生のほうが上なんだなと思いました」
仕事仲間へのパワハラのほかに、妻へのモラハラ疑惑。しかしBさんは「木下先生の問題はそれだけではないのです」と続ける。
■広告塔としての役割も……木下氏のお金への執着心
「木下先生はとにかくお金への執着が強い。木下先生とは業務提携契約を結んでいるのですが、契約書には医師としての業務のほかに広告塔としての役割も担っていただく、といった文言も入っています。そのため給与は他の常勤医師の約2倍の額をお支払いしてきました」(Bさん)
そのため木下氏やジャガー氏の写真が、颯心会のパンフレットやクリアファイルなどに掲載されている。しかしこの写真撮影が行われるたびに、木下氏は給与とは別に“足代”を要求してきたのだという。
「写真撮影はもちろん契約内容に含まれた業務の一環です。しかし2017年8月7日の撮影後、木下先生は『足代は当然ありますよね?』と追加の金銭を執拗に要求してきました。それで“足代”として木下先生、ジャガーさんそれぞれに10万円ずつ、2人で20万円を支払ったんです。
しかし後日、ジャガーさんから電話がかかってきたんです。『スタイリストの足代が入ってねーじゃねぇか! 恥を書かせるな』と。その方にも結局同額をお支払いしました。それに味を占めたのか、その後の撮影はもちろん、会食などでも足代を要求してくるようになりました」(同前)
木下氏に支払った金額は、“足代”というにはあまりに高額だ。断ることはできなかったのだろうか。
「もちろん断ろうと思えば断れますよ。支払う義務も理由もありませんから。でも、それで木下先生の機嫌が悪くなってしまうと、Aさんをはじめ、現場スタッフへの当たりがさらにキツくなってしまう。スタッフがさらに追い詰められていく姿は見たくありませんし、これ以上スタッフに辞められては患者さんに迷惑をかけてしまうことにもなる。経営上層部も『お金で解決できるならそうしよう』と言って、泣く泣く支払い続けました」(同前)
■ジャガー横田氏の“チケットの大量買取”を要求
そんな経営陣の“弱み”を突いて、木下氏の要求はどんどんエスカレートしていった。ジャガー氏のプロレス興行が行われるたびに、木下氏は“チケットの大量買取”を病院側に強いるようになったのだ。
「ジャガーさんが出演するプロレス興行があるときには、木下先生から『病院がチケットを買うのは当たり前だよね』と20〜30枚のチケットを買い取るように要求されました。1回あたり20万円以上になりますから、かなりの出費です。結局、法人の経費で購入しました。せっかくなので従業員たちに無料で配ることにし、病院内でプロレス観戦希望者を募ったのですが、木下先生に散々パワハラされている従業員の中に率先して観に行きたいという人などいません。『ただの紙切れを買ったようなものだ』とうな垂れるしかありませんでした。
2019年6月23日の『ジャガー感謝祭』は、珍しく無料で招待してくれたんです。行くと4席が用意されていて、その場ではお金も取られませんでした。しかし後日、木下先生から「こういったことにご祝儀を出さないのはおかしいだろ。芸能界では常識だ」と叱られ、ご祝儀として15万円を包みました」(同前)
■「ジャガーさんは木下先生に毒されている」
このほかにも木下氏がジャガー氏をダシに金品を要求することは往々にしてあったという。2018年3月13日、木下氏とジャガー氏を囲んで、上層部らが銀座で会食を行ったこともあったが、そこでも木下氏の“タカリ”は止まらなかった。
「会食中、ジャガーさんが『“LOUIS VUITTON”のiPhoneX用のケースをもらったんだけど、肝心のiPhoneXを持っていないんだよね』と話を始めたのです。会話を広げるために『じゃあ誰かがジャガーさんにiPhoneX買ってあげなきゃですね(笑)』と冗談で返したら、ジャガーさんは買ってもらう気満々になってしまった。すると翌日から毎日のように木下先生から『嫁がiPhoneXくれるの待ってるよ?』と声をかけられ続け、結局根負けして法人の経費から支出してiPhoneXをプレゼントしました」(同前)
Bさんは「ジャガーさんは木下先生に毒されている」と続ける。
「2017年8月7日の写真撮影の後にも、木下・ジャガー夫妻と広尾の高級イタリア料理店で会食をしています。そこには病院の理事長も同席していた。目下の存在には厳しい木下先生ですが、自分よりも立場が上の理事長には何も言えず、その会では静かにしていました。そのぶんジャガーさんが会話の中心だったのですが、病院上層部のメンバーがジャガーさんの話を少しでも聞いていなかったり否定したりすると、ジャガーさんがすぐに頭を小突いてくる。終盤には理事長が強めのビンタやチョップをされていました」
ジャガー氏が病院上層部に横暴な態度で接する様子を、木下氏は満足げに眺めていたという。
「木下先生の気持ちを忖度して乱暴な態度をとっているのかなと思うとジャガーさんが気の毒でもあります。しかしそれでもスタイリストの足代を要求したり、チケットを売りつけることを良しとしたり、暴力を振るったりと、目に余りますよ。ジャガーさんの“プロレスノリ”は、私たちにとってみたらただの暴力でしかありませんから。たまたま別のテーブルに歌手の今井美樹さんがいらしたのですが、チラッとこちらを見たきり、見て見ぬフリをしていました」(同前)
これらの事実関係について、木下氏とジャガー氏の所属事務所に確認したが、期限までに回答はなかった。
(「週刊文春デジタル」編集部/週刊文春デジタル)
2019-12-21 07:37:00Z
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