「やっぱり、付き合っていたのか」「あれ、誤報じゃなかったんだ」
驚きのニュースに、ネットは多いに盛り上がった。お笑いタレント有吉弘行(46)とフリーアナウンサーの夏目三久(36)が、4月1日に結婚したことを2日午後7時過ぎ、双方の所属事務所が発表した。
日刊スポーツは前日に「有吉結婚か」
もっとも、「日刊スポーツ」は少なくとも発表前日には、この情報をつかんでいたようだ。2日付の新聞最終版では、芸能面で「有吉結婚か」の見出しを立てて以下のように伝えている。
〈『最後の大物独身芸人』の1人に数えられる有吉弘行(46)の結婚情報が1日、浮上した〉
だがこの記事、相手については一切触れていない。しかも、記事をネットに転載していない。テレビの情報番組の関係者たちも「こんな中途半端な書き方は珍しい。何か裏がある違いない」と内情を探った。そこで分かったのは、日刊スポーツがあえて「夏目三久」の名前を外して報じていたことだった。
「日刊さんは近々、有吉さんと夏目さんの結婚発表があることを把握しながら、わざと夏目さんの名前を出さなかったと聞きました。理由は明確です。5年前のあの“誤報騒動”があったからです。夏目さんの事務所への対策ですよ」(情報番組関係者)
5年前の交際報道では“完全否定”
2016年8月24日、日刊スポーツは1面で、〈夏目三久アナが有吉の子ども妊娠〉と報じた。夏目の所属事務所、田辺エージェンシーと有吉の所属事務所、太田プロダクションは、この報道を「事実無根」と完全否定。しかし日刊は強気の姿勢を崩さず、翌日、「年内結婚へ」と続報記事を掲載した。
これに激怒したのは田辺エージェンシー。同年9月1日、日刊のライバル紙、スポニチの1面に夏目を登場させ、夏目は自らの口で「記事に書かれているような事実はありません」と交際や妊娠を否定したのだ。有吉も〈狐につままれたような気分というのか〉とツイート。ラジオ番組で、「熱愛とか妊娠とか結婚っていうのは、本当にまったくないことなんで」と否定した。その後、日刊スポーツは両事務所を“出禁”となった。
「お詫びと訂正」を出した日刊
1面で報じた以上、「事実」と押し通したい日刊。しかし、本人が否定する以上、反論のしようがない。結果、日刊は、同年11月24日付の1面で「夏目三久さんに関する報道のお詫びと訂正」と題した記事を掲載。「再度取材内容を検証した結果、一連の記事には事実と異なるところがありました。特に妊娠という女性にとって重大な事柄については、ご本人に確認しておらず事実に反していました。ここに訂正し、謹んで深くおわび申し上げます」などと謝罪した。
だが、夏目は報道からしばらくした後、親しい人物に「(有吉と)付き合ってはいた」と過去形で話していたという。
2人は、2011月4月スタートのテレビ朝日系「マツコ&有吉の怒り新党」の共演で出会った。そして、夏目は16年3月で番組を降板。有吉との交際が始まったのは、この時期だと見られている。しかし、夏目は「恩人」である田辺エージェンシーの田邊昭知社長に、有吉との交際を報告していなかったようだ。
社長に交際を反対された夏目は…
「元スパイダースのリーダー兼ドラマーで、芸能界で厳然たる力を持っている田邊社長は、プライベート写真の流出で日本テレビに居場所をなくした夏目さんを表舞台に戻した人です。11年1月に退職し、フリーになった夏目さんはすぐにテレビ朝日『マツコ&有吉の怒り新党』で表舞台に復帰。13年4月からは日本テレビ『真相報道バンキシャ』のレギュラー、14年からはTBS『あさチャン』のメインにもなった。
プライベートでも夏目さんをかわいがっていたので、交際を報告しなかった夏目さんに対しての怒りも相当だったようです。そして、交際自体も反対されたことで夏目さんは、有吉との別れを選択したと聞いています」(芸能関係者)
しかし、2人は程なくしてよりを戻していた。そして、日刊スポーツは、めげずに2人への取材を継続していた。
日刊が夏目の名前を出さなかった理由
「最初の報道での情報源と同じかどうかは不明ですが、これだけの情報なので、日刊さんに太いパイプがあるのは間違いありません。今回、有吉さんの結婚を夏目さんの名前を出さずに報じたのは、一度は逃したスクープを守るためでしょう。有吉さんだけに関する結婚情報にすれば、田辺エージェンシー側に確認する必要がない。仮に夏目さんの名前を出して確認の連絡をしたところで、田辺側は『そうです』とは認めず、スクープ潰しのためにすぐに一斉発表するでしょうから」(前出・情報番組関係者)
魑魅魍魎の芸能界で、スポーツ紙の芸能担当記者は年々、取材がしづらくなっているという。スキャンダルをすっぱ抜けば、大手プロダクションに目をつけられ、「出禁」になることも多い。テレビ局や映画会社も追随し、大手プロのタレントが関わる制作発表から、そのスポーツ紙を締め出す構図もある。
だが、今回の手法なら文句を言われようがない。芸能マスコミ関係者からは「日刊スポーツが2度スクープした」「よく頑張った」などの声が出ている。有吉と夏目が数多の障壁を乗り越え愛を実らせた裏側で、日刊スポーツも5年越しの“意地”を見せたことになる。
(「文春オンライン」編集部)
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