レシピ投稿・検索サービスで有名なクックパッド。東証マザーズ上場から東証1部への市場変更や積極的な海外展開など好調な事業展開を遂げた同社は、一方で経営陣の交代をめぐる騒動や、競合サービスへの苦戦といった困難も繰り返し抱えてきた。今回はそれらの話題を過去記事から振り返ってみる。
レシピ投稿サービスで急拡大した「クックパッド」
クックパッドは、料理関連事業を手がける日本のIT(情報技術)企業。1997年に創業し、翌98年から料理レシピの投稿・検索インターネットサービスを提供している。2009年に東証マザーズ上場、11年には東証1部へ市場変更するなど急拡大を続け、米国や英国を中心に本格的な海外展開にも取り組んできた。
一方で創業者と経営陣の対立、競合サービスの登場やレシピ動画サービスの出遅れといったトラブルにたびたび見舞われた同社。23年2月と3月には全社員のおよそ30%に相当する人員整理計画を発表している。
この記事ではこれまでに掲載したクックパッド関連の記事から、特に経営陣の交代劇に関する話題とコロナ禍における同社の動きを中心に紹介していく。
クックパッド騒動は最初から異種格闘技戦だった
順調な事業拡大が注目されてきたクックパッドだが、16年1月に、創業者と経営陣との主導権争いが表面化した。自身を含む8人への取締役交代を求めた創業者・佐野陽光氏の動きに市場が反発。株価は1日で23%も下落した。騒動の背景には期待された米国事業の不振と「レシピ」以外の分野へ事業拡大を進める経営陣への不満があったという。
クックパッド、「一本化」でもくすぶる火種
騒動の表面化から約半月、クックパッドのお家騒動が一段落した。社長の穐田氏が佐野氏に歩み寄り、取締役選任議案を一本化することで合意したという。だが穐田誉輝社長(当時)の進退を含め新たな経営陣の顔ぶれは不透明なままで、市場からは不安と懸念の声が上がっている。
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