草なぎ剛が8月31日、スペースFS汐留で開催された主演映画『台風家族』(9月6日公開)の初お披露目イベントに登壇。出演者の1⼈である新井浩⽂が今年の2⽉に逮捕、起訴されたことを受けて一時は公開延期となっていたが、上映を希望するたくさんの声が上がり、3週間限定での公開が決定した。観客を前にした草なぎは「紆余曲折あって、延期になって、ようやく公開にたどり着くことができました。これも皆さんの応援のおかげ」と感謝を述べ、「普通に映画が公開されるのが当たり前だと思っていたけれど、自分がこういうことになって、何事もなく公開できる映画は幸せなんだなと思っています」と喜びを語った。
本作は、『箱入り息子の恋』(13)の市井昌秀監督が12年間あたためてきた“両親への想い”をヒントに創作したオリジナル映画。銀行強盗をしたまま行方が分からなくなっていた両親の“仮想葬儀”と財産分与のため、実家に戻ってきた鈴木家の4人きょうだい。彼らが再会したことで巻き起こる珍騒動を描く。イベントにはMEGUMI、甲田まひる、市井昌秀監督も出席。草なぎは「公開できることに幸せを感じている。お蔵入りになるのは悲しいことだった」と胸の内を打ち明け、「いろいろなデリケートな問題はあると思いますが、昨年の夏に僕たちが懸けた情熱は、なにか皆さんの心に触れるものがあると思います」と熱く訴えていた。
撮影は2018年の6月末から7月中旬にかけて敢行された。栃木県の最高気温を記録した夏でもあり、草なぎは「本当に暑くて」と苦笑い。「インタビューとかで『撮影は暑かったんですよ』とか言うパターンもありますが、僕はそういうことは言いたくないんです。誰だって、暑いなかでも寒いなかでも頑張っているんだから!」と何度も「言いたくない」とこぼしながら、「でも言っちゃうの!それくらい暑かった」と語り、会場も大爆笑。「いままでで一番暑かった」と愚痴るたびに笑いが起こっていたが、「その暑さが僕らのチームワークを育ててくれた」と苦労も報われたという。
草なぎが演じたのは、“クズ一家のダメ長男”の小鉄役。草なぎは「僕がいままでやった役のなかでも、一番のクズでどうしようもない役。でもそれがおもしろいなと思った」と新境地となったことを告白。「最後までネチネチしている。ここまでしつこい役はやったことがない。僕だったら諦めてしまう。そこまでこだわっている小鉄はすごい人だなと。そのしつこさが、最後は尊敬に変わるくらい」と役柄に愛情もたっぷり。
小鉄の妹役を演じたMEGUMIは「草なぎさんだし、お兄ちゃんのことをクズだと思えるのか心配だった」というが、市井監督から裏設定を書いたメモをもらったそうで「そこに『お兄ちゃんは、私が履いていた下着をブルセラに売った』と書いてあった。これを持っていけば、大丈夫だと思った」と明かして、草なぎと会場を笑わせていた。
取材・文/成田 おり枝
2019-08-31 07:47:32Z
https://movie.walkerplus.com/news/article/203349/
0 Comments:
Post a Comment