【イスタンブール=佐藤貴生】トランプ米大統領は11日、ペルシャ湾岸の小国バーレーンがイスラエルとの国交正常化で合意したと述べた。ロイター通信が伝えた。湾岸諸国でイスラエルと国交正常化で合意したのは8月中旬のアラブ首長国連邦(UAE)に続いて2カ国目で、アラブ圏ではエジプトとヨルダンを含め4カ国目。イラン包囲網の構築を目指すトランプ氏には11月の米大統領選に向けた外交成果となる。
トランプ氏はバーレーンのハマド国王とイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談した後、「もう一つの歴史的な進展だ」として両国の合意をツイッターに投稿した。イスラエルのネタニヤフ首相も「新たな平和の時代」の到来を告げるものだと称賛した。
一方、バーレーンのハマド国王は、パレスチナ問題の解決はイスラエルとパレスチナ独立国家の建設による「2国家共存」案に基礎を置く必要があると主張。今後もパレスチナを支援する意向を示唆したとみられるが、イスラエルとの国交正常化合意は国家として承認することを意味し、UAEと同様にパレスチナ側を突き放した格好だ。バーレーンには米海軍第5艦隊の司令部があり、米国との結びつきが深い。
一方、イランでは元政府高官が「大いなる裏切り」だとバーレーンを批判。米主導のイラン包囲網が強まることへの警戒感をあらわにした。
イスラエルとUAEの国交正常化合意の署名式は15日、ワシントンで行われる予定。イスラエルのメディアは式典に出席するため、バーレーンのサルマン皇太子が現地入りするとの見通しを伝えた。
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