インスタグラムやTikTokで、人気が出やすい動画の一例が、数十秒から1分程度の短尺の料理動画だ。おいしそうで今すぐ食べたくなるうえ、見た目にも“映える”料理ができあがっていくさまを分かりやすく紹介。いずれも簡単なステップで料理をまねもしやすい点が受けている。バズり飯のレシピの可能性にいち早く目をつけ、現在多くの若年層から支持を得ている料理動画プラットフォームが「Tastemade(テイストメイド)」だ。同社の日本法人代表を務める社長の夏目卓弥氏に、ヒットを生む秘訣を聞いた。
──Tastemade(テイストメイド)が制作した料理動画が、いわゆる“バズり飯のレシピ”としてTikTokなどでヒットするケースが増えていますね。なぜ、若年層たちの心を動かすことができているのでしょうか。
夏目卓弥氏(以下、夏目) 数あるフード動画コンテンツ配信プラットフォームの中で、テイストメイドらしさであり、他と違う点は、料理の美しさや面白さをクオリティーの高い動画で届けることにあります。Bayashi(バヤシ)さんらフードクリエイターの皆さんと、数々のコラボ動画を制作している点がその証左でしょう。
要は、日々の食卓に並ぶ実用的な献立をつくるために参照するサイトではないということです。料理を「アート」、もしくは「エンターテインメント」へと昇華させて、見ているだけでわくわくして楽しくなる世界観を志向しているからこそ今、世界で、そして日本の消費者から注目してもらえていると捉えています。
ですから、アクセスしてくれる視聴者のセグメントは、他社とはかなり違います。主婦層ではないのです。プラットフォームの特性として、日常的に画像SNSのインスタグラムや動画投稿サイトのTikTokを好む、いわゆるZ世代(1990年半ば~2010年初頭に生まれた若者層)からの支持率が高い。
日本法人であるTastemade Japan(テイストメイドジャパン、東京・渋谷)のTikTokアカウントだけ見ても、サブアカウントを含めて合計200万人ぐらいのフォロワーを抱えており、これは企業アカウントとしてはトップ10に入ります。
▼関連記事 TikTok国内1位、Bayashi直伝 次にバズる動画の条件結果、テレビなどのマスメディアがリーチできない若年層に対して、しっかりとリーチできる点が強みになっています。最近食品メーカーからの引き合いが増えているのはそこが評価されているためで、若者への訴求を狙ったメーカーが自社の食品を使った動画コンテンツを多数つくるケースが増えています。
夏目卓弥氏
Tastemade Japan(テイストメイドジャパン) 社長
三井物産時代は米・シリコンバレーとロサンゼルスに駐在。主にメディア分野に携わり、日本コンテンツの海外展開事業のほか、2019年三井物産が米テイストメイドに出資した際にはディールを担当した。20年12月、三井物産がテイストメイドジャパンに出資したことから、同社代表取締役社長に就任。現在は組織改革からトップ営業まで、幅広く活躍中。
Z世代やα世代にアプローチできる点を食品メーカーなどが評価
──食品メーカーから評価されている理由をどう自己分析していますか?
夏目 例えば多くの大手食品メーカーは、普段買ってくれない若者に向けて、ブランド認知のためにマーケティングしたいというニーズを抱え、一方で地方の老舗メーカーの間にはリブランディングして新しいイメージを醸成したいというニーズがあります。テイストメイドは、こうした企業の受け皿になりつつあります。
もはや、単なるレシピ動画プラットフォームの域を超えて、Z世代やさらにその下のα世代(2010年以降に生まれた若年層)にアプローチできる、新たなコミュニケーションプラットフォームになりつつあると自己分析しています。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
登録会員限定キャンペーン!
【マーケター応援割】実施中!最大2か月無料
from "レシピ" - Google ニュース https://ift.tt/AS6BE3O
via IFTTT
0 Comments:
Post a Comment