2020年10月23日12時46分
【ワシントン時事】来月3日の米大統領選を控え、共和党のトランプ大統領(74)と民主党のバイデン前副大統領(77)の最後のテレビ討論会が22日夜(日本時間23日午前)開かれた。両氏は核開発を続ける北朝鮮問題で応酬。新型コロナウイルスへの対応や互いの疑惑についても非難し合ったが、決定打は出なかった。
「息子疑惑」米メディア二分 トランプ氏、バイデン氏追及に躍起―米大統領選
世論調査で劣勢のトランプ氏にとっては、大統領選に向けた数少ない反撃の機会となった。トランプ氏は、対北朝鮮外交について「北朝鮮とは良好な関係を維持しており、戦争は起きていない」と自身の実績を誇示。バイデン氏は「トランプ政権で北朝鮮はミサイル能力を向上させた」と批判し、米朝首脳会談には「非核化する条件」であれば応じる考えを示した。
コロナ対応では、トランプ氏は「感染拡大のピークは越えた」との認識を示し、数週間以内に新型コロナのワクチンを開発できると改めて表明した。バイデン氏は、ウイルス制御の「包括的計画すらない」と政権の対応を批判するとともに、膨大な犠牲に言及し「(責任者は)誰であれ続投すべきではない」と主張した。
さらにトランプ氏は、バイデン氏の息子ハンター氏がウクライナ企業から巨額の報酬を得ていた疑惑をめぐり「彼の息子は長年仕事をしていなかった」などと追及。これに対し、バイデン氏は疑惑を否定した上で、トランプ氏が納税申告書の公表を拒んでいることに触れ「何を隠しているのか」と切り返した。
討論会は、南部テネシー州ナッシュビルで約90分間開催された。第1回討論会はトランプ氏がたびたびバイデン氏の答弁を妨害して泥仕合となり、第2回はトランプ氏のコロナ感染で中止となった。冷静な政策論争のため、今回はテーマごとの両候補の冒頭発言で相手のマイク音声を切る措置が講じられた。
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