【ソウル=桜井紀雄】韓国でインフルエンザ予防のワクチン接種を受けた後に死亡する事例が相次ぎ報告されている。保健当局は、予防接種と死亡の直接的な因果関係は認められないと説明し、接種を続ける方針を示している。だが、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行への懸念から予防接種への関心は例年より高く、国民の間に不安が広がっている。 保健当局は24日、予防接種後に死亡した人が16日以降、48人に上ると発表した。2009年から昨年までの死者計25人に比べると、多さが際立っている。 特に10代の高校生が16日に死亡したことで注目が集まり、韓国メディアは死者の増加を連日大きく報道。政府の方針と異なり、大韓医師協会や一部の自治体が独自に病院側に接種の一時見合わせを要請するなど、混乱も広がっている。 先月には、冷蔵保存が常識のワクチンの一部が常温にさらされていたことが発覚して大量回収される事態もあり、ワクチン接種に対し、不安感を呼びやすい素地があった。 死者の大半は70代以上で、基礎疾患があり、当局は、死因を分析した26人について「接種と直接的な関連性が確認された事例はなかった」と明らかにした。高校生の死因との関わりも確かめられなかったという。 政府は今年、新型コロナとの同時流行で医療施設が逼迫(ひっぱく)する事態を避けるため、予防接種を奨励。高齢者や子供は無料なこともあり、23日までに国民の約3割に当たる1420万人以上が接種を終えた。 韓国紙のハンギョレは、短期間に接種希望者が殺到し、待機時間が長くなったことが高齢者の健康状態に悪影響を与えた可能性があるとの見方を伝えた。実際に死因が判明したケースでは、心血管や脳血管の疾患が多かった。
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