Tuesday, October 18, 2022

鉄道150年「お弁当を持って小さな旅~レシピ2.~」 - nhk.or.jp

1872(明治5)年10月14日に、日本で初めてとなる鉄道が新橋‐横浜間に開業してから2022年10月14日で150年。鉄道の楽しみの一つが“駅弁”。鉄道開業150年にあわせて、子どもたちに楽しんでもらえる、鉄道にちなんだ“簡単”で“映える”お弁当を紹介します!

(横浜局/寺脇 伊都美)

第3弾の今回も、お弁当のレシピを考案していただいた専修学校の生徒さんたちに「鉄道」×「お弁当」に込めた“思い”を取材しました。

レシピの考案者 3人目は・・・

野田鎌田学園横浜高等専修学校 3年 田原 海渡(たはら かいと)さん

Q.“親子で楽しめる駅弁”のレシピ考案はいかがでしたか?

元々電車が好きだったので、今回の周知を見て「やりたい」と思いました。私はITを学ぶ情報メディア高等科に在籍していますが、料理をするのが好きで自宅でも料理をすることが多いので、抵抗感はありませんでした。

Q.電車がとてもお好きなんですね。

物心ついたときから、模型列車を走らせて遊んでいました。つい先日も、来年の3月に廃車になる名古屋の地下鉄を乗りに行きました。横浜市歴史博物館で鉄道150年の展覧会を開催していたことも知っていたので、今回の取り組みに参加でき嬉しかったです。

作:田原 海渡さん「神奈川名産巡り」弁当

Q.今回作っていただいた「駅弁」のこだわりポイントを教えてください。

今回は小田急電鉄のロマンスカーをイメージして作りました。 
きゅうりは“車輪”
・カニかまは“パンタグラフ”
・ブロッコリーは“水タンク”
・人参は“コンプレッサー・抑制装置・クーラー”
それぞれ電車に見立てて調理してみました。

Q.将来の夢を教えてください。

子どもの時から簿記やビジネスを学びたいと考えていました。来年からは、ホテルの専門学校に進学予定で、将来は、ホテルのレストランで働けたらと考えています。

Q.田原さんは“駅弁”ときいて、なにか思い出などありますか?

東京駅で購入した「チキン弁当」がとても美味しかったのを覚えています。また小学生まで住んでいた大船駅の駅弁も大好きです。お弁当を購入する際の“わくわく感”は何歳になっても楽しいです。

Q.最後に今回の企画の感想をお願いします。

神奈川県の名産品をたくさん使いました。 試作ではうまくいかないこともありましたが、本番ではとてもおいしく作ることができ、友達や両親にも、喜んでもらうことができました。自分自身もとても楽しくできたので、今後は作る側もたくさん挑戦してみようと思います。

―――――レシピ―――――

■ まぐろフライ
【食材】まぐろ柵、卵1ヶ、小麦粉、パン粉、塩、コショウ
まぐろは7mm位に切り、塩、コショウをし、小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣を付けて180度の油で揚げる。

■かまぼこ磯辺揚げ
【食材】かまぼこ、青のり、天ぷら粉、水、サラダ油
⑴かまぼこを7mmの厚さに切る。
⑵ボールに天ぷら粉を水で溶き塩を加え、青のりを混ぜて衣を作る。
⑶サラダ油を180度に熱し、衣を付けたかまぼこを揚げる。

■麻婆豆腐
【食材】木綿豆腐1丁、鶏ひき肉100g、長ねぎ1/2本、にんにく、生姜、サラダ油、豆板醤、ごま油、水、酒、醤油、鶏がらスープの素、砂糖、水溶き片栗粉
⑴豆腐を2㎝の角切りにし、長ねぎ、にんにく、生姜はみじん切りにする。
⑵フライパンに塩一つまみ入れ湯を沸かし豆腐を入れて中火で2分茹でて水気を切る。
⑶フライパンにサラダ油を入れ中火で熱し、ひき肉を入れてほぐしながら炒め、色が変わったら2分炒め、みじん切りにした長ねぎ、にんにく、生姜を加え、香りが立つまで1分炒める。
⑷水、酒、醤油、鶏がらスープの素、砂糖を加え煮立ったら豆腐を入れて再度煮る。水溶き片栗粉でとろみをつけて、仕上げにごま油を回し入れる。
*麻婆豆腐の水は少なくてもよい。

■シューマイ
【食材】豚ひき肉200g、玉ねぎ1/2個、シューマイの皮20枚、片栗粉、砂糖、醤油、ごま油、鶏がらスープの素、生姜、サラダ油、水
⑴玉ねぎをみじん切りにして片栗粉をまぶす。生姜はすりおろす。
⑵豚ひき肉、砂糖、醤油、ごま油、鶏がらスープの素、おろし生姜をよく混ぜ、玉ねぎを加えてさらに混ぜる。シューマイの皮に包み、シューマイの皮で包む。
⑶フライパンにシューマイを並べ火にかけ、水を入れ沸騰したらすぐに蓋をし10分中火で蒸す。

■しらす佃煮
【食材】釜揚げしらす、醤油、みりん、砂糖、酒、白いりごま
鍋にしらすと調味料を入れ中火で加熱し、煮立ったら弱火にしてアクを取りながら10分程度煮詰める。煮汁がなくなったら火を止め白いりごまをかける。

■炒飯
【食材】ごはん、卵、マヨネーズ、中華だし、醤油、なると、長ねぎ、豚肉、塩、コショ
ウ、かにかま、人参、ブロッコリー、キュウリ
⑴ボールにご飯、卵、マヨネーズを入れて混ぜコーティングし、さらに中華だしを入れよく混ぜる。コーティングされたら醤油を混ぜる。
⑵フライパンに入れ中火で炒め、さらに具材を入れ炒め、なじんだらねぎを入れ塩コショウで味付けする。
⑶薄焼き卵を焼き、炒飯を包み、2か所四角く切り抜き電車に見立てて盛り付ける。

■梨のコンポート
【食材】梨、水、白ワイン、グラニュー糖、レモン汁
⑴梨を4等分にし、種を取り除く。
⑵水、白ワイン、グラニュー糖、レモン汁と梨、梨の皮を入れ火にかけ沸騰したら弱火で20分程煮る。出来上がったら冷やす。

レシピの考案者 4人目は・・・

野田鎌田学園横浜高等専修学校 2年 湯川 晃埜(ゆかわ こうや)さん

Q.“親子で楽しめる駅弁”のレシピ考案はいかがでしたか?

学校の生徒としてこういった企画に参加出来る機会は少ないので、せっかくだったら、参加したい、やってみようかなと思いました。こんな感じかな。というイメージはすぐに湧きましたが、材料や彩り、栄養を調整するのが難しかったです。

Q.今回作っていただいた「駅弁」のこだわりポイントをおしえてください。

テーマが「親子で作れるお弁当」でしたので“調理が難しすぎず、また手を汚さず手軽に食べられるもの”を、意識して作りました。子どもが好きそうな枝豆やコーンを使用して、彩り的に茶色になりすぎないよう、肉巻きにも野菜をいれ、材料・彩り・栄養バランスを考えて作れたと思います。

Q.このレシピを見て作られる、お父さん・お母さんにアドバイスがあればお願いします。

今回のお弁当では“包丁を使わず作れるお弁当”を意識したのでそんなに難しい調理方法はありません。油揚げを切る際には、分厚い油揚げを用意したほうが良いかと思います。枝豆とコーンの量を彩りよく均等に分けて、肉巻きに入れる野菜は家にあるお野菜で調整して頂ければ大丈夫です。

作:湯川 晃埜さん「親子で仲良し弁当」

Q.湯川さんは“駅弁”ときいて、なにか思い出などありますか?

静岡県にいる祖母と、駅弁を買って電車に乗るのが好きでした。周りの景色を見ながら他愛もない話をする雰囲気がとても良かったです。今回お弁当を考案するにあたって、電車の中でも分け合いやすいお弁当にしたのもポイントです。

Q.現在、調理師学校に通われていますが、なぜこの道を選ばれたのですか?

祖父が料理長をしていました。祖母も元板前で母も料理が上手ということもあって私自身食べるのも調理するのも大好きでした。調理師の資格をとって、それが仕事に繋がるのはとても魅力を感じました。

Q.将来の夢を教えてください。

“なりたい職業”ではありませんが、「当たり前ができる人間になりたい」と思っています。祖母は“人”が好きで、いつも人に囲まれていて、笑顔が絶えません。私も人に優しく、人との関りを大切に過ごしたいと考えています。「野田鎌田学園横浜高等専修学校」は、先輩や後輩との繋がりが強い学校です。この学校でゆっくりと将来について考えられたらいいと思います。

Q.最後に今回の企画の感想をお願いします。

このような企画に参加したのは初めてでしたが、1からお弁当のレシピを考案したのは貴重な経験になりました。寝る間も惜しんで考えたのは大変でしたが、自分の成長に繋がったと思います。

―――――レシピ―――――

■肉シューマイ(信田巻き風)
【食材】ひき肉100g、玉ねぎ1/8ヶ、片栗粉、酒、オイスターソース、ごま油、醤油、砂糖、油揚げ、インゲン、人参、パプリカ
⑴玉ねぎはみじん切りにし片栗粉を振りかけておく。
⑵野菜をスティック状に切り、インゲン、人参はチンしておく。油揚げは開いておく。
⑶ビニール袋にひき肉と調味料を入れてこね、さらに玉ねぎを入れこねる。ラップに、開いた油揚げを置き、片栗粉を振っておく。
⑷油揚げに肉だねを塗って野菜をのせ、キャンディのようにする。
⑸蒸し器に入れ、10分程中火で蒸して覚ましてカットする。
*肉だねや海老はしっかりこねておくとまとまりが良い。

■海老シューマイ
【食材】海老、はんぺん、卵白、片栗粉、塩
⑴ 海老は包丁で叩いて塩、片栗粉をまぶしてもんでおく。ビニール袋にはんぺん、卵白、片栗粉を入れてよくつぶし、海老を加えてもみ混ぜる。
⑵ ラップを広げ、中央につぶしていない海老を縦半分に切って置き、その上に混ぜた種を載せて茶巾に絞る。
⑶ 沸騰した蒸し器に入れて、弱火で10分ほど蒸す。

■ちくわオクラ
【食材】ちくわ、オクラ、マヨネーズ、小麦粉、カレー粉、青のり
⑴ オクラは塩もみしてうぶ毛を取り、がくを落として、電子レンジで加熱する。
⑵ ちくわにオクラを詰め、半分にカットし、マヨネーズ、小麦粉、カレー粉、青のりを混ぜた衣をつけて揚げる。

■コーンと枝豆のかき揚げ
【食材】とうもろこし、枝豆、片栗粉、卵黄、小麦粉、塩
コーンと枝豆の水気を拭き、片栗粉をまぶす。小麦粉、卵黄、水、塩で天ぷらの衣を作り、コーンと枝豆を混ぜて色よく揚げる。

■おにぎり
【食材】米、卵、ランチョンミート、プチトマト、いんげん、オクラ
玉子焼きとランチョンミートを焼いておく。大きさを揃えてマヨネーズを塗って合わせる。押し型にご飯、ランチョンミート、玉子焼き、ご飯の順に重ねて、海苔で巻いてカットする。

最後に、先生から・・・

今回生徒さんのサポートしていただいた 調理部 齋藤 利昭(としあき)先生

Q.今回、生徒さんたちと一緒にお弁当レシピを考案されていかがでしたか?

齋藤 利昭 先生
今回参加した生徒は、それぞれが“自分からやりたい”という子だったので各々のこだわりをもったレシピを考案してきてくれ、嬉しく思いました。

Q.生徒さんが作られたお弁当の感想をお願いします。

齋藤 利昭 先生
レシピには生徒たち一人ひとり、鉄道に対する想いをそれぞれ含んでいるのが印象的です。

・松元さんは、“150年”というのがきちんと意識されていました。

・田邊くんは、“線路”が引かれていて“電車”だとすぐにわかりますので、子供たちにも喜んでもらえると思います。

・田原くんは、電車が大好きですので、電車をモチーフに、彩りもよかったと思います。

・湯川くんは、包丁よりも“手”を使って料理に仕上げる過程が多かったと思います。

生徒たちの想いや工夫を汲み取っていただくと、親子でより楽しくお弁当を作ることができると思います。

作:齋藤 利昭 先生「I LOVE YOKOHAMA」

Q.今回は先生方にもお弁当を作っていただきました。ポイントをおしえてください。

齋藤 利昭 先生
150年前に走っていた機関車を思い浮かべながら、現在の電車をイメージできるように作ると楽しいと思います。
今回のお弁当では、“根岸線”をイメージしました。 横浜が発祥とも言われるナポリタンや、中華街を想わせる“やまゆりポーク入りシュウマイ”などを入れましたが、横浜に因んだものを親子で考えるのも面白いです。
ソーダ水ゼリーは横浜DeNAベイスターズのイメージです。また、季節感のあるものを添えることで見た目の楽しさが味わえます。

Q.最後に今回の企画の感想をお願いします。

齋藤 利昭 先生
短期間ではありましたが、生徒たちが自主的に参加したこと・作ることのたのしさを学べたことは貴重な経験になったと思います。そして、作ったお弁当をみて喜んでくれる人のことを想って作れたことは、大きな成長に繋がったと嬉しく思います。

―――――レシピ―――――

■電車サンド
【食材】食パン、ハム、茹で卵、ツナ缶、マヨネーズ、チーズ、人参、レタス、キュウリ 
食パン1枚を6カットにして、2枚にマヨネーズをぬりハムを挟む。茹で卵をつぶしてマヨネーズとあえて2枚でサンドする。常もマヨネーズとあえてサンドして3種作る。窓をスライスチーズ、車輪を丸く型抜きして茹でた人参を飾る。キュウリの細切りで車両のラインとして飾る。

■うずら入りメンチカツ
【食材】うずらの卵、豚ひき肉、玉ねぎ、卵、パン粉、塩、コショウ、小麦粉、ケチャップ、ソースひき肉に塩、コショウで下味をつけて、粘りが出るまでよくこねる。刻んで炒めた玉ねぎ、卵、パン粉を順に加えて混ぜる。うずらの茹で卵を芯にひき肉で包み、打ち粉、溶き卵、パン粉をつけて色よく揚げる。ケチャップとソースを混ぜてカツの回りにからめて半分に切る。

■スパゲティナポリタン
【食材】スパゲティ、玉ねぎ、ピーマン、ウインナー、ケチャップ、塩、コショウ
玉ねぎ、ピーマンは細切り、ウインナーは斜め切りにする。フライパンで炒めてケチャップで味付けする。スパゲティを茹でてあえる。

■シューマイ
【食材】豚ひき肉、玉ねぎ、シューマイの皮、醤油、オイスターソース、砂糖、胡麻油、中華スープの素、生姜、塩、コショウ、片栗粉
豚ひき肉に中華スープの素、醤油、オイスターソース、砂糖、胡麻油、おろし生姜、塩、コショウを加えて良くこね混ぜる。玉ねぎをみじん切りにして片栗粉をまぶしてひき肉に混ぜ、シューマイの皮で包んで蒸す。

■玉子焼き
【食材】卵、砂糖、醤油
卵を割ってよく溶きほぐし、砂糖、醤油で味をつけて焼く。

■鶏の唐揚げ
【食材】鶏もも肉、醤油、味醂、卵、片栗粉
鶏肉を一口大に切り、下味をつけて唐揚げにする。

■ソーダ水ゼリー
【食材】ソーダ水、牛乳、ゼラチン
ソーダ水にゼラチンを加え加熱してゼラチンを溶かしてソーダゼリー液を作る。粗熱を取り、容器に1cmほど流して冷ます。固まったら牛乳羹を星形に抜いたものをのせ、さらに残りのソーダゼリー液を流し冷やして固める。

■その他
【食材】銀杏・枝豆串刺し、いちょう芋、蓮根、紅葉人参、ブロッコリー、かまぼこ、ランチョンミート

取材を終えて

田原さん、湯川さん、調理部のみなさま、素敵なお弁当の考案をありがとうございました。
ぜひみなさんもレシピを参考に素敵なお弁当を作ってみてくださいね。作ったお弁当は #NHK発鉄道150年でぜひ共有してください!
お弁当に使われている「鉄道どーもくんフードピック」は、鉄道150年にちなんだNHK横浜局オリジナルです。今回のレシピを掲載した「鉄道どーもくんチラシ」とあわせて、NHK横浜放送局のハートプラザで配布しています。是非、皆さんのお弁当作りにも活用してくださいね!(※ なくなり次第、終了となります。)

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