Thursday, October 8, 2020

韓国ウルサン市33階建て高層ビルで火災 住民など88人病院に搬送、対応できる消防車なく消火遅れる - Newsweekjapan

韓国南東部の蔚山(ウルサン)広域市にある33階建ての高層ビルで8日深夜に火災が発生し、住民など88人が病院に搬送された。

釜山日報など韓国メディアの情報によると、火災が起きたのは蔚山市南区新亭洞にある33階建てのサンファンアールヌーボーマンション。火災は8日午後11時7分に12階バルコニーで発生し、通報を受けた消防当局が午後11時20分、現場に到着して鎮火に乗り出したが、火の手が瞬間秒速15mの強い風に乗って外壁に沿って延焼、一瞬に33階まで広がったという。

大きな炎は約2時間ほどで消し止められたが、その後もマンション外壁パネル内で炎が飛び火し、完全鎮火するまで時間がかかっているという。

蔚山消防本部は火災発生後、屋上などに避難していた住民54人を救助。そのうちの一部と自力で避難した住民など88人が病院に移送されたが、煙を吸い込んだり擦過傷を負うなど比較的軽いけがだという。

対応できる消防車がない

一方、今回の火災で浮き彫りになったのが韓国の高層火災に対する消火体制の脆弱さだ。今回の火災で消火に数時間以上かかった理由として、蔚山市には超高層の火災を消し止める70m高架はしご車がないことが指摘されている。

韓国国内には23階の高さまで対応可能な70m高架はしご車は10台だけで、ソウル・京畿道、仁川市が2台ずつ保有しており、釜山・大田・世宗・済州に1台ずつ配備されているという。今回の火災が起きた蔚山をはじめとする残りの自治体では70m高架はしご車がなく、 実際、今回の蔚山で発生した火災にも高架はしご車が動員されたが、放水はビルの中問層までしか届かず、高層階についてはヘリコプターによる消火活動で対応していた。

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